池澤夏樹さんの怒り

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 2013/02/05の朝日夕刊で池澤夏樹さんが怒りをこめて沖縄への構造的差別を告発している。もしかしたらこの人にしては珍しいぐらいの、厳しい口調だ。

 オスプレイ配備などをめぐって沸点に達している沖縄の感情と論理が、本土の人々になかなか受け入れられない焦燥があるのかもしれない。

「今もしオスプレイが墜ちて、もし一九五九年の宮森小学校米軍機墜落事件のようにたくさん死者が出たら、抗議する沖縄人は基地になだれ込むだろう。米兵は彼らを撃つかもしれない」

 と、「縁起でもない」予想を述べている。

 作家の想像力が、政治家と市民の無関心や内なる差別の構造を鮮明に炙り出す。かつての大江健三郎がそうだった。高校生の私はその想像力によって「社会問題」の存在に気づかされた。いま、池澤さんは進んでそうした役割を担い、よい意味での作家的特権を行使しているのだ。