『吞めば、都』マイク・モラスキー著

DropShadow ~ 9784480864185

 今朝の東京新聞の書評欄で、『吞めば、都─居酒屋の東京』(筑摩書房)の著者・マイク・モラスキーさんが紹介されていた。

 一橋大の社会学教授。日本の戦後文化史が専門。居酒屋が大好きだそうだ。それをアメリカにはない「人間規模の空間」と表現する。そこは車で巨大ショッピングモールを行き来するような無機質な世界ではない。こぢんまりした、会話のあふれる場所。

 街歩きの後の一人酒、まずは大人しく店の空気を読むこと、地元客との会話から街の歴史をたどる──居酒屋のたしなみをよくご存知だ。大井町、平和島、州崎、赤羽と場所の選択もナイスじゃないか。理想の老後はと聞かれ、「自力で赤ちょうちんにたどりつき、自力で帰ること」。同感である。

 記事のなかで、州崎遊郭の業者が立川の羽衣町に逃れ、という記載があって思い出した。先日亡くなった、「一文」の常連のおじいちゃんが、まさに実家が州崎で遊郭を経営していたことがあったという話。で、その方、戦後は立川で夜の女性たち相手に衛生指導をしていたということをちらりと聞いたことがあるのだ。州崎→立川の線がここでもつながった。

 IZAKAYA──外国人の視点だからこそ発見され、賞揚される日本文化。それを守る闘いに、私も拳を挙げて毎夜馳せ参じなければならない。