下町ディープ酒場にチャレンジするも…

 21日は終日暇だったし、マイク・モラスキーの『吞めば、都』に触発されたこともあり、思い立って午後から、荒川を渡って下町のディープ酒場探訪を兼ねたお散歩へ。

「立石」には2010年12月ごろ、Mの仲間たちと訪れたことがあったが、あのときは夜道を案内されるままにフラフラしていたので、詳細は覚えていないのだ。京成押上線の駅前の仲見世通りというところが、聖地の一つ。昼からやっているもつ焼きなどが数軒ある。

 降り立ったのは午後3時頃。平日だというのに、いずれの店にもすでに行列ができている。行列しないと入れない店だから仕方がないが、なんというか、実は全体はうらぶれた商店街なのに、テレビで紹介された店だけ異様に賑わっているストリートの違和感に近いものを感じる。私はこれを『地球の歩き方』現象と呼ぶ。中近東のどこかの街。他にもたくさん安ホテルがあるのに、そこだけなぜか日本人客で賑わう。地元の人も不思議がる。なんとなれば、日本語のガイドブックにはそこしか載っていないからだ。

 まあ名店なのではあろうが、居酒屋ごときで(といってもそれを貶しているわけではないが)わざわざ行列してまでは飲まないというのが私のポリシー。この点は、モラスキー氏と同様である。

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 というわけで、立石はあきらめ徒歩で京成本線「お花茶屋」駅方面へ。葛飾区役所へ向かう道には桜並木などもあって、意外と(と言ったら失礼だが)美しく整備されている。お花茶屋の駅から北に長く延びる商店街もなかなかの壮観だ。途中、「カムカム堂」というたばこ屋があって、これはモラスキー著にも出てくる店なのだが、そこでこのあたりの飲み屋情報を仕入れる。駅裏の「東邦酒場」というのが有名らしいが、あいにく定休日だった。

 まあ、非計画的な散歩だからこういうこともあら〜な。とはいえもう午後5時。そのまま帰るのもしゃくなので、駅表側の「さっちゃん」という小さな店へ。居酒屋というよりは和風スナックか。ジョーレンジャー(常連客)がすでにテーブルを独占。きれいに髪を整えた割烹着姿の女将の客あしらいには、年季を感じる。

 ただ酒肴はなんのことはない平凡なものばかり。私は黒ホッピーと、歯に触るぐらい冷たいマグロ刺し。ただそれだけだったのだが、妙に酔う。2杯目のホッピーの「なか」を頼んだとき、「大盛りにしておいたわよ」と女将が言っていたのだが、それが効いたか。

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 京成線の各駅停車はめったに乗らないから、乗換案内が必要だ。再び荒川を越え千住、町屋を抜けて日暮里で降り、谷中ぎんざ商店街を歩いて、よみせ通りへ。この辺りまで帰ればまあ地元だ。岩手地鶏と沖縄料理という妙な取り合わせの「みさき」で、柔らかい鯨肉を食う。最後の〆はさんさき坂の「砺波」でレモンサワーとラーメン。

 たぶんそこから歩いて帰ってきた、と思う。

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