後楽園で能登の刺身

 後楽園(東京ドームシティ)の白山通りをはさんだ対面に、「能登の魚」を看板にした店が実は二つある。てっきり姉妹店かと思っていたら、全然別の店のようだ。客にとっても店にとっても紛らわしい。

 そのうちあまり有名ではないほうの『手だれ屋敷 本郷』という店に初めて入った。この店名もどうかと思う。たしかに住所は本郷1丁目(全水道会館のあるビル)だが、「本郷三丁目」の駅ははるかに遠いし、「水道橋」または「春日」が最寄りだからだ。

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 能登の刺身3点盛1890円というのはなかなかコスパがよかった。なにより宮城県大崎市・新澤酒造の「伯楽星」が置いてあるのが目を惹いた。これは正月に仙台でも飲んだ酒だ。他に、会津美里町の小さな蔵、白井酒造の『風が吹く』というのもいい酒だった。吟醸香と米の味わいがいい感じで協奏している。ネーミングもすがすがしい。若い経営者や杜氏が頑張っているに違いない。

 なんでも店の板長が福島を旅していたときに、偶然出会った酒蔵だという。昨年、都庁で開かれた福島の酒利き酒会には出品していなかったはず。もしかすると、福島市の「駄愚栖」あたりには置いてあるのかもしれない。