最近楽しかったのは、月曜日の「貝部」ぐらいだな。某経済週刊誌広告局のメンバーと、牡蠣を中心とした貝料理とお酒を楽しむ会。2年ぐらい前に始まった。最近はここの仕事はめっきり少なくなったのだが、なぜか飲み会だけは続いている。
今回は代々木のオイスター・バー。ひょんなことから学生時代の話になった。メンバーの世話人役の某女史が学生運動やりたくて北海道から上京し、大学に入学したっていうエピソードをきいてぶったまげた。俺よりもずっと若いのに、まだそういう硝煙の臭いに惹かれる人がいたのだ。
彼女が入学したのはH大。といえば、某C派の拠点校。怪しげなサークルに顔をだすと、早速、仇敵K派の拠点校のサークルに潜って、スパイしてこいと言われたのだそうだ。
そこでハタと、個人の意思よりも組織防衛を重大視する運動のあり方に疑問を抱いて、党派活動の前線からは退いたらしい。まだ血を血で洗うような内ゲバが残っていた時代。もしも、そんな初心な女子学生がこの手の謀略にハマってスパイ活動を続けていたら、命の危険さえあったかもしれない。現在の女史からは想像もつかない、意外なエピソードではある。
別の有名国立大出身の女史とは、上野千鶴子のフェミニズムがいかにダメかっていう話をした。いや、別に私は上野千鶴子いいんじゃない、というか彼女のフェミニズムはよく知らず、鶴見俊輔インタビューなど知識人の分析は買っているほうなのだが、その女史がコテンパにそのフェミニズムの限界を語るので、「そんなものかね〜」とはあはあと聞いていただけなのだが……。
結構熱くて濃い夜だった。仕事の話なんぞよりも百倍は楽しい。気づいたら男子は俺ひとり。他のおっさんたちはなんだかんだ言いながら、最後までつきあわないんだよなあ。深夜タクシーで帰還。