大量のWord書類をHTMLに変換して、Webにアップするという作業があって、まあ、Wordで処理することもできなくはないが、なんとなくWordは嫌いなので、最近はもっぱら Nisus Writer Proを使っている。「Nisus」は「ナイサス」と呼び、ギリシャ神話に出てくる「ニースス王」のことだ(アイコンは昔からこんな感じ。なんとなく強そうだ…)
多言語対応や高度なマクロ機能で、“通”の間ではよく知られた、MacOS 9 時代の定番ワープロ。MacOS X に移行するとき対応がもたついたこともあって、そのうち話題になることは少なくなってしまったが、現在は見事に MacOS X 対応を果たしており、MacOS 9時代の多機能性が蘇った。Wordよりもはるかに使いやすいと思う。
Nisusのマクロでは、Perlのプログラムを直接記述したり、Perlのソースを外部から呼び出して実行することができる。ただ、プログラミングはちょっとという人には、より簡単なマクロ記法が用意されている。
例えば、メニュー操作だったら「:Format:Size:12」のように、メニューコマンドを「:」で区切って叙述するだけだ。Nisusはフォントの属性やテキストの位置ごとに文字列の検索・置換ができる機能が優れているが、これも簡単にマクロ化できる。正規表現形式でも、属性指定形式でもどちらでもいいのだが、Nisusの検索画面での記述を、クリップボードにコピーしてマクロ化する方法がある。
図は、そうやって作成したマクロの一例。
タイトルやサブタイトルにしたいパラグラフには、あらかじめ行頭に「●」「▶」などの記号を振っておけば、そのパラグラフを検索し、フォント属性を変えるのは一瞬だ。さらにここでは冒頭に「毎日」「朝日」などの特定文字がついたパラグラフを、右寄せするという処理も行っている。
Nisus のMacOS X 版はRTFDが標準フォーマットだが、これをHTMファイルに書き出す機能がある。上記で修飾したフォントごとにスタイルシートを記述してくれる。例えば、こんな感じ。
p.p1 {margin: 0.0px 0.0px 0.0px 0.0px; text-align: justify; font: 18.0px ‘Hiragino Kaku Gothic ProN’; color: #1a64a5}
テーブル(表組)のHTML化も簡単だ。さらに、HTMLファイルをRTFD属性無視で呼び出せば、簡易HTMLエディタとしても使える。タグの検索・置換に、Nisusの強力なテキスト処理機能やマクロ機能が威力を発揮する。
今さら何を言うの感もなきにしもあらずだが、Nisusはあらためていいな、というのが最近の実感だ。